トップ・ミドル・ラストノートとは
香りが時間で変わる理由
編集部 2026-10-09更新 結論1. 香料は蒸発する速さが違う。速い順にトップ、ミドル、ラスト(ベース)と呼ぶ。2. 肌の上では、トップはつけて10〜30分ほど、その後ミドル、数時間後からラストが中心になる。3. 人に届くのは主にミドルとラスト。店頭では、つけて30分以上たってから判断する。
なぜ香りが変わるのか
香水には、蒸発する速さの違う香料がいくつも入っています。速く蒸発する香料から先に消えていくので、時間とともに香りが変わります。
この分け方を、香りが消えるまでの時間で整理したのが1955年に発表された分類です。香料をにおい紙につけて香りが消えるまでの時間を測り、速く消えるものを「トップ」、中くらいを「ミドル」、最も長く残るものを「ベース」に分けました[1]。今も、揮発性の高い順にトップ、ミドル、ベースと呼ぶのが一般的です[3]。
3つのノートと時間の目安
トップノート つけてすぐ〜30分ほど最初に感じる香り。第一印象を決める。柑橘やフルーツなど、揮発しやすい香りが中心
ミドルノート 30分ほど〜数時間香りの中心。花、深みのある緑、スパイスなど
ラスト(ベース)ノート 数時間後〜香りが消えるまで肌に残る土台の香り。ムスク、ウッディ、アンバーなど、残りやすい香り
時間の目安は資料によって違います。肌につけた香水では、トップは「10〜30分ほどで消えることが多い」[4]、ミドルはその後「2〜3時間ほど」[5]とされています。香りの種類はトップが柑橘やフルーツ、ミドルが花やスパイス、ベースがムスク・ウッディ・アンバーなどが中心です[3]。
香料を1つずつにおい紙につけた場合は、トップの素材が数時間、ミドルが半日〜1日強、ベースは2日から数か月残るものもあります[2]。香料を薄めずに紙につけた場合の目安なので、肌の上の香水とは条件が違います。
よく使われるノート
このサイトで判定している279本のうち、公式がトップ・ミドル・ベースに分けてノートを出している177本で、よく出てくる香料を数えました(同じ香料の日本語・英語表記はまとめています)。
| ノート | よく出てくる香料(本数) |
|---|---|
| トップノート | ベルガモット(58)、レモン(24)、グレープフルーツ(13)、マンダリン(12)、カルダモン(12)、ラベンダー(10) |
| ミドルノート | ローズ(23)、ジャスミン(22)、ゼラニウム(13)、ラベンダー(13)、バイオレット(8)、サンダルウッド(6) |
| ラストノート | ムスク(53)、シダーウッド(37)、アンバー(30)、サンダルウッド(25)、ベチバー(23)、パチョリ(23) |
残りの香りは、公式がノートを区分せずにまとめて出しています。区分がない香りも、香りのページに公式のノートをそのまま載せています。
選ぶとき・使うときのコツ
店頭では30分以上待ってから決める試した直後はトップの香りです。会う人に届くのはミドル以降なので、手首につけて30分〜数時間後の香りで判断します。数時間肌につけて変化を確かめることを勧める調香の専門家もいます[2]。
職場では人に会う30分前までにつけてすぐは、トップとアルコールが立って強く香ります。出かける30分前につけておくと、人に会うころには落ち着きます。
ラストの香りで選ぶと失敗しにくい一日の大半はミドルからラストの香りで過ごします。ムスクやウッディなど、ラストの香りが好みかどうかを見ると、買ったあとの「思っていたのと違う」が減ります。
出典
- Journal of the Society of Cosmetic Chemists 6巻2号「A Classification of Odours and its Uses(W. A. Poucher)」(1955年)
https://library.scconline.org/v006n02/1 - におい・かおり環境協会『におい・かおり環境学会誌』36巻4号「フレグランスの創作(宍戸義明)」(2005年)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jao/36/4/36_4_199/_article/-char/ja/ - 日本香粧品学会『日本香粧品学会誌』43巻3号「フレグランス製品(平野奈緒美・石田賢哉)」(2019年)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/koshohin/43/3/43_430306/_article/-char/ja/ - Aesop 公式「A guide to fragrance」(2026年4月更新)
https://www.aesop.com/library/a-guide-to-fragrance.html - 株式会社シロ(SHIRO)公式「オードパルファムとオードトワレの違いとは?」(2025年12月時点の情報)
https://shiro-shiro.jp/topics_detail.html?info_id=1619
調査の数字は記事の説明にだけ使い、香りごとの判定には使っていません。判定は公式の情報と使った人の声から出しています。